「半裸で草刈りする71歳」
「ポテチ大好きな94歳」
死ぬことを忘れたとまで言われるほど、長寿の人々が住む島「イカリア島」。
しかもただ年齢を重ねたというわけではなく、高齢でも元気いっぱい。
健康寿命も長いとされています。
そんなイカリア島の長寿の秘密について。
そしてイカリア島の絶品はちみつやコーヒーについて探ってみました。
目次
イカリア島は超長寿!どんな島?場所はどこ?
イカリア島とは、ギリシャにある北エーゲ地方の島。
地図で見ると、こちらです。
人口はおよそ8300人。
1960年ごろまでは貧しい国でしたが、近年はギリシャ政府によって投資、発展が進んでいます。
長寿の住民が多いことで知られるイカリア島。
ヨーロッパの他の地域と比べて、90歳以上の人口比率はなんと10倍以上。
そんなイカリア島には、長寿の秘訣と見られるものがたくさんあったんです。
そうだったのか!イカリア島の長寿の秘訣は7つの特徴にあった!
健康で長生きの人々が暮らす地域として、世界の研究者たちが認めた地域は「ブルーゾーン」と呼ばれます。
イカリア島はその中でも随一の長寿地域と言われています。
ちなみに、ブルーゾーンの中には日本の沖縄も入っています。
なぜイカリア島の住民は長寿なのか?
ブルーゾーンの研究課程で、その習慣、風習が注目されています。
そして7つの特徴が挙がりました。
イカリア島長寿の特徴1 ヤギのミルクを飲む
1つめとして、ヤギのミルクを飲むこと。
ミルクというと牛による牛乳を思い浮かべますが、イカリア島ではヤギのメルクがメジャーです。
実は誰もが知る日本の有名なアニメでも、ヤギのミルクをゴクゴクと飲むシーンがあるんですよ。
それは「アルプスの少女ハイジ」。
ハイジがまぶしいほどの笑顔で、とてもおいしそうにヤギのミルクを飲んでいます。
ヤギのミルクは母乳に近い味がするといわれ、人によっては牛乳よりおいしいという声も。
そしてヤギのミルクの栄養価には、牛乳より豊富に含まれるものもあるんです。
タウリンやビタミンAのほか、亜鉛が特に多く含まれています。
消化にも良いと、実は評判のミルクなんです。
2011年に、グラナダ大学によって「ヤギのミルクは健康にとても有益」であることが発表されたことも。
世界的長寿の秘訣の1つとなっているのかもしれません。
イカリア島長寿の特徴2 とにかく歩く
2つめとして、「歩く」こと。
イカリア島はとても丘が多く、高低差の激しい島となっています。
そのため、自然と住民は日々力いっぱい歩いています。
平坦な道を歩くだけでも健康的ですが、登り坂と下り坂が入り混じるイカリア島。
生活の一部となっているため、三日坊主という心配もありません。
一生懸命歩き続けることによって、良い影響が出ていると考えられています。
イカリア島長寿の特徴3 地中海料理を食べる
3つめとして、「地中海料理を食べる」こと。
地中海料理とは、その名の通り地中海周辺の国の料理のこと。
イタリアやスペイン、ギリシャの料理がこれにあたります。
地中海料理は、記憶力や健康に良い影響があると、たびたび研究報告があがるほど。
オリーブオイルや野菜、果物やヨーグルトといった食材がふんだんに使われています。
1992年にはアメリカで「地中海ダイエットピラミッド」が発表され、
2010年には、「地中海式食事法」が、ユネスコの世界無形文化遺産に登録されたという実績も。
地中海料理を食べることが栄養学的にも優れているとされ、その食生活が手本とされたのです。
オリーブオイル、新鮮な魚介類をふんだんに使った料理は、栄養バランスも抜群。
近代的な食事よりも、さまざまな病気へのリスクが低くなるともいわれ、今注目されているんです。
その地中海料理を普段から食べていることが、長寿の秘訣の1つではないか、と言われています。
イカリア島長寿の特徴4 ハーブティーをよく飲む
4つめとして、「ハーブティーをよく飲む」こと。
ギリシャでは、ハーブティーがよく飲まれます。
紅茶はあまり飲まれず、コーヒーも人気です。
イカリア島でも、やはりハーブティーは大人気。
商店では色々な種類のハーブティーが並んでいます。
日本でも多く知られるミントやカモミールといったものから、ギリシャ地方特有のハーブも並んでいます。
特にメジャーなのが、チャイ・トゥ・ブヌーというハーブ。
山のお茶、という意味です。
このチャイ・トゥ・ブヌー、ギリシャでは万能薬として愛飲されています。
日本の輸入店で陳列されていることも。
風邪の予防や滋養強壮、免疫力の強化に効果があると言われています。
イカリア島長寿の特徴5 昼寝(シエスタ)をする
5つめとして、「昼寝をする」こと。
昼寝…?と疑問に思うかもしれません。
ギリシャでは、シエスタという昼寝の習慣があるんです。
シエスタというと、有名なのがスペイン。
日差しを嫌うスペイン人の文化から、始まった風習とされています。
ギリシャには早起き、夜は遅い文化があります。
会社で勤務を始めるメジャーな時間はなんと早朝7時。
朝が早いかわり、夜は遅くまで遊ぶというわけです。
そのため、シエスタ(昼寝)は必須。
13時から16時ぐらいまで、約3時間がシエスタの時間となっています。
その時間帯には、友人であれ取引先であれ、電話をすることは失礼とされているほど。
早起きし、よく眠り、よく遊ぶ。
これが長寿にも影響しているのかもしれません。
イカリア島長寿の特徴6 断食(食事制限)をする
6つめとして、定期的に断食をすること。
ギリシャ人が多く信仰するギリシャ正教のカレンダーでは、年に4回の食事制限をする日が設けられています。
ちなみにギリシャ正教とは、キリスト教の宗派の1つ。
まったく何も口にしないというわけではありませんので、完全な断食というわけではありません。
しかし食べられるものがかなりの種類において制限されます。
制限される食べ物は、動物性たんぱく質(肉)や魚、卵と乳製品、油。
ワインや蒸留酒も絶たなければいけません。
貝や甲殻類、タコは除かれるため、ギリシャ正教徒が多い地中海の周辺では、いわゆる地中海料理が発展したという背景もあります。
乳製品を絶つのはかなりむずかしく、パンにも乳成分が入っていることも。
しかし断食をすることで不摂生を自覚したり、欲望をコントロールする効果が。
この断食の習慣も、長寿に1つの影響を及ぼしているといわれています。
イカリア島長寿の特徴7 家族や友人を大事にする
7つめとして、「家族や友人を大事にし、一緒に過ごす時間を大切にすること」。
イカリア島(ギリシャ)の文化として、特に家族を大事にするといわれています。
古代ギリシアにおいても、「ストルゲー」という愛の概念があります。
親子や兄弟間での、家族愛をあらわす概念です。
ギリシャは2000年以上もの長い間、他国の占領下にあった歴史があります。
紀元前146年にローマ支配下となり、ギリシャが独立したのは1830年のこと。
さまざまな勢力に支配されるなか、最後のよりどころとしたのが「血の繋がり」。
そのため、家族愛や兄弟愛が、より強固であると言われています。
これら7つの教訓のほか、アテネ大学の第一心臓臨床医学研究所での医学会議でも、イカリア島の長寿の秘密があるとしています。
2012年に以下の8つの要因があると発表されました。
ブルーゾーンが掲げた7つの習慣と共通するものも見受けられます。
アテネ大学医学会議で挙がったイカリア島長寿の8つの秘密
1つめに食事面。
魚介類や果物、野菜が中心の食生活、そしてハーブティーなどのお茶。
これらがイカリア人の健康に作用しているのではないかとされています。
他にイカリア人がよく飲食するものとしては、まずワイン。
ワインにはポリフェノールが豊富に含まれています。
次にハチミツ。
イカリアのハチミツは特に栄養満点。
ビタミン、カリウム、ナトリウム、カルシウム…様々な栄養が多く含まれ、老化防止にも効果があると言われています。
続いてオリーブオイル。
近年、日本でもすっかりメジャーとなりました。
こちらもオレイン酸やポリフェノールが豊富です。
そしてギリシャコーヒー。
こちらもポリフェノールが豊富に含まれています。
2つめにシエスタ(昼寝)の習慣。
3つめに、歩行や農作業といった、日常で自然と行われる運動。
4つめに家族間での深い絆、家族愛。
5つめに、ストレスが少ないこと。
適度な運動や睡眠も、ストレスが少ないことに作用していると考えられます。
6つめに、友人や知人との交友関係が良好であること。
7つめに、近所付き合いを多く行い、地元のお祭りやイベントにも積極的に参加すること。
8つめに、教育レベルが高い値にあること。
勇気の象徴!イカリア島の名前の由来はギリシャ神話のイカロス
島の名前となっている「イカリア」の由来は、ギリシャ神話のイカロス。
島の付近にイカロスが落下したという言い伝えがあり、イカロスから名前を借り、島の名前が付きました。
イカロスとは、自由に空を飛べる能力をもつ人物。
翼は蝋(ろう)でできています。
王様により親子で幽閉されてしまいましたが、蝋をかためた翼で、自由に空を飛ぶ能力を得たイカロスたち。
そのまま幽閉から脱出します。
あるとき、太陽に近づきすぎたことにより、蝋の翼が溶けてしまうイカロス。
そのまま墜落して死を迎えたという神話があります。
イカロスは父から
「太陽には近づきすぎてはいけない。翼が蝋で溶けてしまうからだ。」
と事前に忠告を受けていました。
しかし「どこへでも飛んでいける」と自分と翼を過信したあまり、忠告を破り太陽へ向かうイカロス。
その結果、悲劇を生んだという物語です。
このような話の経緯から、イカロスは傲慢、油断を語るとき例に出されることがあります。
しかし「幽閉されていたが、自分で考え翼をつくり、自由に空を飛ぶ力を手に入れた」点から、
「勇気」の象徴とされる場合もあります。
あまくて栄養満点!!イカリア島のはちみつが絶品すぎる!
イカリア島で摂れる高品質で濃厚なハチミツも、長寿の秘訣の1つ。
エーゲ海の気候、豊かな土壌。
その環境のなか、さまざまな植物が生育し、豊かな自然のなかで、ミツバチが活動的に蜜を集めます。
イカリア島には昔から多くの松の木が茂っています。
松の木の樹液を吸い取った昆虫が、体内で樹液を甘い蜜に。
そして松の枝に蜜を残し、その残された蜜をミツバチが集め、イカリアハチミツができあがります。
血圧の上昇を抑えるカリウムやコリンが豊富に含まれ、深いコクのある
イカリア島のはちみつ。
今日本でも注目されています。
輸入品店ほか、通販でも購入することができますよ。
濃厚だけど飲みやすい!イカリア島のコーヒーの入れ方と味について
イカリア島では地中海料理やハーブティーが人気、かつ長寿の秘訣と言われていますが、
同じぐらい人気なのがコーヒー。
そしてギリシャコーヒーも、長寿の秘密の1つとされています。
研究者たちによると、ギリシャコーヒーを毎日飲むことにより、血管を若々しく保つ効果があるとのこと。
しかしコーヒーというと、どうしてもカフェインの摂りすぎが気になってしまいますよね。
ところがギリシャコーヒーは、他のコーヒーに比べてカフェインが少なく、かつポリフェノールが豊富に含まれています。
ポリフェノールは近年、アンチエイジングの観点からも注目される成分。
世界的な長寿を誇るイカリア島の住民には、ギリシャコーヒーをよく飲むことも関係していると考えられています。
そんなギリシャコーヒーを飲んでみたい!という方のために、作り方を紹介します。
ギリシャコーヒーを作る際は、「ブリキ」という銅製の小鍋を使います。
「ブリキ」は「ジェズベ」とも呼ばれます。
実はギリシャコーヒーは、アメリカやトルコでトルココーヒーと呼ばれるものとほぼ同じです。
特にギリシャとトルコはとても仲が悪く、敵対関係にあります。
同じ製法、同じ飲み方をするのですが、
ギリシャでは「ギリシャコーヒー」。
トルコでは「トルココーヒー」と呼ばれます。
用意するものは、以下の通り。
ブリキ(ジェズベ)、デミタスカップ【材料】
ギリシャコーヒー(トルココーヒー)9g
砂糖 9g(好みにより調節)
水 70cc
使う道具はギリシャコーヒーをつくるときは「ブリキ」、
トルココーヒーをつくる道具としては「ジェズベ」と呼ばれます。
呼び方が違うだけですので、買うときはどちらでもかまいません。
カップはできればデミタスカップを使いましょう。
ギリシャコーヒーを飲むことに適した、小さいカップです。
エスプレッソを飲むとき、エスプレッソカップを使うような感覚ですね。
次に手順です。
砂糖を最初に入れるのがポイントです。
入れたらよくかき混ぜましょう。【 2 】ブリキを弱火にかけます。
ここは注意が必要です。1分以下~数分の間にコーヒーが沸騰し、周辺から泡立ちます。
泡立ち始めたら、いちど火から離してブリキを軽く回します。この「周辺から泡立ち始める→火から放して軽く回す」を3回くり返しましょう。【 3 】デミタスカップにうつしましょう。
このとき、泡をつぶさないように静かにゆっくり。粉も一緒にカップに入って大丈夫です。
30秒ほど、粉が沈むのを待ってできあがり。
ギリシャコーヒーを飲むときは、コーヒーの粉がデミタスカップの底に沈んでいるため、上澄みを飲みます。
30秒待たずに飲むと、粉も一緒に飲んでしまいます。
ギリシャコーヒーの味は、フィルターしていないエスプレッソと例えられます。
濃厚、しかし砂糖がある分飲みやすいものとなっています。
ギリシャでは飲み終わった後、カップに残った粉の模様を見て運勢を占う、
「コーヒー占い」をすることもあります。
どうすれば?イカリア島の行き方は飛行機で?
イカリア島へ行くには、飛行機やフェリーを利用していくことになります。
東京から乗り継ぎの上でイカリア空港へ行く方法や、
まずギリシャの首都アテネへ行き、そこからフェリーで行く方法等も。
航空券を検索するならH.I.S.がオススメです。
人生楽しく生きるコツ!イカリア島の映画「ハッピーリトルアイランド」
2004年には、映画「ハッピー・リトル・アイランド 長寿で豊かなギリシャの島で」の舞台になりました。
こちらが予告編の映像です。
ハッピー・リトル・アイランドを見ると、長寿の秘訣は「幸せに生きる」ことだと確信させられます。
WWF賞、ハビタット賞、エコパフォーマンス特別賞といった数々の賞を受けた映画でもあります。
内容としては、都会から移住してきた若者たちが、イカリア島に住む老人たちから、
「人生を楽しく幸せに生きるコツ」を学ぶというもの。
ギリシャは2010年頃から経済危機により、貧困層の増加が大きな問題となりました。
貧しい人の割合は、なんと3人に1人。
若い人の約半数もが、職を失うことになりました。
若者の多くがギリシャを離れようと思い、残りの一部はほんのわずかな希望を胸に、故郷へ移住。
35歳となった主役のトドリスも、彼女とイカリア島に移住することに。
そこで出会った、とびきり元気、そして驚くほど長寿な老人たち。
人生を前向きに、ハッピーに。
そしていつまでも健康に生きるコツを学んでいきます。
まとめ イカリア島長寿の秘密に納得!
死ぬことを忘れたとまで言われる長寿の島、イカリア島。
長寿の秘訣として、さまざまな秘密があることがわかりました。
上で紹介した映画やコーヒー、ハチミツいずれもオススメです。
ぜひ見て飲んで、食べてみてください。
ギリシャにある、驚くほど長寿の島、イカリア島。
長寿の秘訣として感じたのが、はちみつや地中海料理といった食生活や、シエスタの習慣、よく歩くこと。
そして何より、隣人愛、家族愛。
品質の良いものをよく食べ、よく眠り、よく歩き、よく笑う。
これらが生活の一部として、ストレスなく続けられていることが、長寿の秘密なんだな…と感じ刺させられました。
私たちの住む日本も平均寿命が伸び続け、長寿の国と言われます。
しかしイカリア島の住民のように、のびのび、健やかな生活ができているかというと、考えさせられるところがありますね。
学生生活、社会生活、近所づきあい、老後の生活…いずれにおいても、ストレスを感じざるは得ない状況も多いです。
私たちもすぐイカリア島のような生活…というわけにはいきませんが、見習うところは大いにありました。
私も少しでも健康にいられるように、まずはため息を減らして、笑顔を多くするようにしてみたいと思います。
そして2018年7月21日(土)19:57~からの
「世界!極タウンに住んでみる」では、イカリア島に実際に住む様子が見られます!
世界有数の長寿の島、イカリア島に興味を持った方は必見です!
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