有川浩さんのデビュー作品!
初めてとは思えない小説のクオリティに驚嘆します。
街が塩によって飲み込まれていく事態「塩害」の世界、
東京に住む男性と少女の物語です!
文庫版を読みましたが、本の分厚さを感じないくらい
するすると読破して夢中になりました!
フィクションと思えない塩害の世界!
ほかの有川浩さんの小説は読んだことがありましたが、
デビュー作品はなんとなく避けていました。
はじめの頃って作風が違ったりするので、どうかな?
と思いながら読んでびっくりしました!
はじめから惹きつける魅力を持っている有川浩さんは
天才型の作家だと思いました!
ストーリーの軸は、東京湾に突然降ってきた謎の白い隕石。
それがきっかけで人間が「塩」に変わり
段々と彫刻のように動かなくなる塩害が発生した世界です。
もちろん現実にこんなことがあったらとんでもないし、フィクションとわかっていますが
随所にリアルな表現やそうなったら周りの人間が起こしそうな行動が流暢に書いてあり
とても惹きつけられ、夢中になって読みました!
本当に細部まで塩害の世界が書かれていて、
どうしたらこんな小説が書けるんだろう?
と本気で驚きました。
モノローグやセリフがグッとくる
さらっとあらすじを書きましたが、
読むといま生活している「普通の世界」はどれだけ平和だったかが
すごく身に染みて実感しました。
毎日同じサイクルや生活を繰り返すと、人間は良くも悪くも慣れてきて
退屈に感じたり飽きたりすることもあるかもしれないですが
この小説を読んで日常がありがたく思いました。
作中で印象的なセリフが
「壊れてしまった世界で既存のルールは何の役にも立たない。
ルールは人を守るものだ。
(略)守っても死ぬのだと分かってしまった世界で、
一体誰がそんなきれいな約束を守るだろう?」
このセリフで、主人公たちがどれだけ殺伐として
ルールや秩序がない世界で暮らしているんだろうと考えました。
いまの日本は銃刀法違反などルールは存在し、そのルールは守られています。
平和のありがたみを実感しました。
ストーリーが長いので飽きやすいかもしれない
個人的に、小説は分厚ければ厚いほど読むことに燃えるタイプなので
今回の有川浩さんのデビュー作「塩の街」はストーリーの展開も面白く登場人物も個性があり、
共感できたりリアルな表現に感情移入出来て読後が満足でしたが、
SFや小説の厚さが苦手という方には少し向いていないかもしれません。
一回ストーリーに入り込めると、
文字の多さもあまり気にならず脳内でイメージ画像を空想したり出来ますが、
例えば小説初心者や、ノンフィクションが好み!という方は
少しハードルが高いかもしれないです。
後はネットで見ましたがライトノベルっぽくて苦手という感想もあるみたいです。
しかし、苦手でもいいので自信を持ってオススメできる小説なので
これを機に、「塩の街」を手にとって欲しいです。
まとめ
3つの感想を書きましたが、やっぱり最後に言いたいのは
有川浩さんの書く小説は最高に面白くて魅力のあるストーリーです!
毎回読むたびに続きが気になって
夢中になって読破するくらいなんです。
もし興味を持ってもらえたら、ぜひ小説を読んで
有川浩さんの世界に浸ってみて欲しいです。