ロシーニョとは、イタリアにある町で、約60年前にすべての住民が他の町へ行き、
今では誰も住んでいないとされています。
正確には、「ロシーニョ ヴェッキア」という旧市街。
「ロシーニョ ヌォヴォ」という新市街には、現在も人が住んでいます。
町には放棄された多くの建物が。
雨風にさらされ朽ちていくのを待つばかりの建造物が、今なお立ち並んでいます。
イタリアのゴーストタウン、ロシーニョについて見てみましょう。
目次
ロシーニョとは廃墟？いつ、なぜゴーストタウンになった？
ロシーニョは、本来ゴーストタウンと呼ばれるような街ではありません。
標高641メートルの、山を切り開いたような場所にあるため、日中も明るく照らされています。
人が住んでこそいないものの、その風景はとてもきれいなものです。
建物も古く伝統的な建設方法で建てられたものが多く、崩れてもなおその美しさを保っています。
緑や水も多く、観光スポットになっても良いぐらいだと思います。
しかし日中は良いものの、夜は別。
人がまったく居ないこともあり、幽霊が出る…なんて噂も。
ロシーニョは、もともと農家が放牧する場所として栄えた、小さな村でした。
多くの建物や教会もあり、とても廃墟になるような街には見えなかったそうです。
しかしロシーニョを襲ったのが、1980年の大地震。
イタリアのナポリなどを中心に、壊滅的と言える被害がありました。
そのマグニチュードはなんと6.9。
しかも直下型地震で、揺れの時間は90秒以上。
死者が3000人以上も出たとのこと。
そしてロシーニョは土砂崩れや地滑りの被害も絶えない町でした。
水路の流れが不規則なことや、険しい隆起のある丘も多く、不安定な土壌だったようです。
地盤が弱かったこともあって、なんども地滑りを起こした過去があります。
もともとは旧市街のさらに南に村があったのですが、地滑りのたびに村を放棄し、北へ移動してきました。
しかしその移動も限界が来たため、住民は皆旧市街を去ってしまいます。
多くの人が去ってしまいましたが、現在も1人だけ住民が居ます。
男性は、今もなおロシーニョに、60年以上にわたりたった一人で住み続けています。
ロシーニョには毎年多くの訪問者が訪れ、男性に向けてポストカードがたくさん届くとのこと。
どのように生計を立てているかというと、ちょくちょく来る観光客に観光案内などをしているそうです。
もともと牧場だった場所や市庁舎があった建物を利用して博物館をつくり、当時の生活の紹介等をしているとのこと。
ロシーニョの場所と行き方は？イタリアのどのあたり？
ロシーニョの場所はこちらになります。
イタリア峡谷のカンパニア州、サレルノ県に属しています。
ロシーニョはコムーネ（日本でいう市町村）の1つなのですが、60年前に住民が居なくなってしまったため、
ゴーストタウンと化しています。
他のデータは以下のとおり。
- CAP（郵便番号）：84020
- 市外局番：0828
- ISTATコード：065111
- 識別コード：H564
- 座標：北緯40度24分0秒、東経15度21分0秒
- 標高：570メートル
- 面積：14平方キロメートル
ロシーニョへの行き方は、まずナポリへ行き、そこからサレルノへ。
さらにサレルノからロシーニョへ向かうのが良いでしょう。
ナポリへは東京から飛行機で14時間といったところ。
ナポリからサレルノへの行き方ですが、ナポリから電車や車で1時間ぐらいで行けます。
次にサレルノからロシーニョへ。
場所と距離、ルートはこちら。
だいたい車で1時間半となっています。
町や島がゴーストタウン（廃墟）となってしまう理由はなぜ？
ゴーストタウンとは、かつて人が住んでいたものの、なんらかの理由で退去。
居住していたという痕跡のみが残っている場所のことを言います。
ではなぜ、人が全くいなくなってしまうのか。
以下のような理由があります。
産業構造が変化したため（鉱山など）
町や村の存在が、なんらかの産業に依存している場合。
その産業が衰退してしまうと、町に住む意味が無くなってしまいます。
利益や利権のため、特に伝統もない地域に人工的に村や町がつくられた場合、
産業の衰退によりゴーストタウンと化すことはよくあります。
たとえば鉱業の衰退。アメリカのゴーストタウンの理由としてよく見られます。
典型的なのがゴールドラッシュ。
かつて1850年ごろ、金脈を探し当てるために多くの労働者が殺到したことがありました。
効率よく金鉱を見つけようと、周辺に町がつくられます。
しかし金鉱には限りがあるため、掘りつくされた場合、その町に住む理由が無くなります。
もともと伝統のある町というわけでもなく、作業のために移り住んできた町のため、
立ち退くのもあっという間です。
家や建物だけが残り、ゴーストタウンと化してしまう…という流れです。
実は同じ理由でゴーストタウンと化した町（島）が日本にもあります。
それは長崎県の端島（通称：軍艦島）。
明治＝昭和にかけて海底の炭鉱によって栄え、当時の人口密度は東京を上回るほど。
しかし1974年に閉山となり、あっというまに人々は島を離れていきました。
今なお建物は残っているものの、無人島となっています。
他には北海道の雄別炭礦跡、岩手県の松尾鉱山跡などがあります。
自然災害によるもの
新潟県新潟市にある角海浜では、波欠け（マクリダシ）という、海岸の土砂をごっそり奪っていく現象が起こっていました。
数十年に一度という、比較的長いサイクルではあるものの、マクリダシが起こると多くの家屋が倒壊し流され、埋没されてしまう事態が発生していました。
さらに山崩れ（ヤマダシ）も起き、かなりの被害をもたらしました。
度重なる災害により人々が離村していき、現在では完全に無人となっています。
また、火山の噴火により（一時）ゴーストタウンと化す町も珍しくありません。
イタリアにかつて栄えた都市ポンペイは、火山の噴火により埋没、廃墟となりました。
伊豆諸島の青ヶ島は、1785年に火山噴火のため、住民が全員避難。
その後50年たち、住民が少しずつ戻ったという経緯があります。
伊豆諸島の三宅島は、2000年の火山噴火のため、こちらも住民が全員避難。
現在は島に人々が戻ってきています。
伊豆諸島の鳥島は1902年の火山噴火により、島民が全員死亡。
自然災害がいかに恐ろしいか、が垣間見える歴史です。
離農によるもの
マヤ文明は都市国家を築いていたものの、ほぼすべてが放棄されています。
理由はさまざまな説がありますが、主なものとしては食糧不足。
森林伐採により地力が衰え、作物が育たなくなっていきました。
多くの人口の飢えをしのぐことができなくなり、衰退したといわれています。
無人島化
東京都の八丈小島は1969年まで人が住んでいましたが、過疎化が進んだことや、もともとの生活条件が
厳しいということもあり、すべての住民が離島。
無人島となっています。
伊豆諸島には、他にもかつて人が住み、現在無人島と化した島が多く存在しています。
鹿児島県の臥蛇島も似たような理由により人々が離島し、無人島となりました。
集団移住
生活の改善や、自然災害を避けるため、多くの住民がいっせいに移動することがあります。
たとえばイタリアのマテーラにある洞窟住居や、クラーコの旧市街です。
他にはダム建設などが理由となることもあります。
治安の悪化
南アフリカにあるヨハネスブルグは、不法入国者が市街地へと流れ込んだことにより、治安が一気に悪化。
中心街がゴーストタウンと化してしまっています。
ゴーストタウン「ロシーニョ」にたった一人で暮らす人物が！？
2018年8月4日（土）に「世界！極タウンに住んでみる」にて、ゴーストタウンとなったイタリアの町、ロシーニョを取材！
なんと実際に住んでみる様子が放映されます。
ロシーニョには誰一人住んでいないとされていますが、実はたった一人で今なお住み続ける人物がいるとの情報が。
本当に今でも住んでいる人がいるのか、そしてロシーニョに住み続けている理由とはなんなのか。
番組内で詳しく明かされます。
「世界！極タウンに住んでみる」は、世界各地さまざまな秘境に、「実際に住んでみる」バラエティ番組。
2018年5月5日から始まったばかりの番組ですが、現在までも数々の驚きスポットに！
「ギネス認定された世界一幽霊が出る場所」など、見どころたくさんです。
この幽霊村については、こちらの記事でも取り上げています。
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まとめ
イタリアの廃墟の町、ゴーストタウンと化したロシーニョ。
かつて人が住んでいた痕跡だけが立ち並ぶ町の姿に、哀愁がただよいます。
ゴーストタウンにと化す理由はさまざまなものがありますが、今現在でも人が住んでいるという情報も。
2018年8月4日（土）の「世界！極タウンに住んでみる」では、ロシーニョが特集されます。
ゴーストタウンに住む人物とは一体誰なのか。
必見です。
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