復習の向こう側で、
怒涛の展開を見せていく狂気。
原作は、
世界中で知られている「巌窟王」です。
貶められた自分の人生をかけて、
その罠を仕掛けた連中に仕掛けている壮大な復讐劇ですが、
最終話を残して、クライマックスに差し掛かっています。
元作を超えるレベルの「怪演」ぶりを見せる
役者陣の凄まじい仕事ぶりに、
見る側はぐいぐいと引き込まれてしまいますね！
悪っるい顔だなぁ…とご本人が仰ってます
渋いイケメンの高橋克典さん。
今回は陰謀の発端を作った警察幹部・入間を演じています。
真海＝暖を陥れた事件をばねにしてのし上がり、
確固たる地位を得てきたのですが、
その彼にも、過去に愛人（留美）に産ませた子供を
”始末”したという罪が隠されていました。
撮影も終盤になって、
ブログに載せられたその顔に、
ご本人自らが「悪っるい顔だなぁ」と
仰るほどの逝っちゃってるお芝居。
真海を追い落とせる！
と思ってつかんだはずの証拠を、
微笑をたたえた顔で粉々に打ち砕かれます。
しかも握りつぶされた瞬間の
何とも言えない表情は
これまでに見たこともないようなお芝居でした。
まさか、自分が足元をすくわれるなんて！
エリートであることと、
その手にしていた権力に
絶対の自信を持っていたはずの彼が、
さらりとかわされたうえに
地獄に突き落とされたようなものでした。
しかし、その地獄は
まだまだほんの入り口でしかなかったのです。
ドラマの中で唯一のオアシスだったのに
そんな入間の娘未蘭は、
真海の恩人の息子である信一朗と恋に落ちていました。
淡い二人の関係とそのピュアな恋は、
ドロドロを通り越して
全編真っ黒のようなドラマの中で、
唯一、清らかで優しさにあふれた情景でした。
入間家の財産を手中にせんとして、
これまでにも殺人に手を染めてきた
入間家の後妻である瑛理奈がなんと！
毒を盛り、未蘭の殺害を企んでいるのです。
瑛理奈はこれまでにも邪魔となった未蘭の母や、
婚約者もその手に欠けていたのですが、
ある意味入間とはいい勝負のキャラクターですね。
山口紗弥加さんは、
もともとこういったエキセントリックな女性を演じると
素晴らしく振り切ったお芝居を見せてくださる女優さんです。
今回の弾けっぷりも
ナイスなお芝居ですよね。
名乗れなくても、母は強い
破滅に突き進んだ神楽から、
札束をむしり取るようにして逃げ、
愛人の安藤
（じつは昔産んですぐに入間に引き裂かれた彼との間にできた息子）
を助けるために奔走するのです。
関係を結んでしまった今となっては、
「実の母であることは打ち明けられないけれど、
それでも彼を助けることはできる」
と、二人で手を取り合って逃亡するさまは、
まるで死出の旅路のようで素敵です。
それまでの鬱屈も哀しみも、
すべて吹っ切った彼女は晴れ晴れとして、
実に強かったのですね。
「やっと自分らしく生きられるかもしれない」
そんな一縷の望みをかけ、
もしくは「一歩踏み出したらそこはもう崖下かもしれない」
そんな状況ではありましたが、留美は美しく、そして強かったのです。
まとめ
親の敵を討ったエデルヴァ＝愛梨は、
真海のもとへと戻ってきます。
幸男の娘・明日香への情を断ち切れないまま、
幸男にとどめをさすことができないままに、
地獄に落ちる手前で引き返すことができたのです。
原作のエデルヴァは、
自分を救い出してくれたモンテ・クリスト伯爵を心から愛しています。
その想いが、
「真海＝暖を救うものであってほしい」
それが、彼に残された
最後の希望のような気がしてならないのです。
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