横須賀の、小高い山の上にある防衛大学校は、名前は知られていますが、その学校の実態としては殆ど知られていません。
東日本大震災以来、防衛省・自衛隊に関する情報はかなり開示されてきましたが。
まさか、こんな形で防衛大を知ることになるとは。
時代が、変わったなぁ、と思いました。
その学校に行く意義とは
連載開始のころにネットで話題になっており、書店で取り置きしてもらいました。
自衛隊を扱った作品が増えてきたのはこの10年ほどでしたが。
まさか、週刊少年漫画誌で防衛大の漫画が連載されるようになるとは、予想もしていませんでした。
経済的な事情があって、大学に行くことを諦めようかと考えていたら...
たまたま知ったこの学校なら、
- ただで勉強できて
- 給料ももらえて
- 就職も保証されている
という理由で志望した___主人公の意識はその程度だったはずなのに、
入ったとたんにさまざまな先輩や同級生に出会い、影響を受け、少しずつその学校にいるということに『自覚』をおぼえてくる、
という展開なのです。
現代っ子にしてみれば、信じられないような、カルチャーギャップの連続だったその学校は、それこそ旧軍の歴史を引き継いだ文化をもっている、異空間だったのです。
自分も大事、だけど仲間も大事!
全寮制の防衛大には、小隊・中隊・大隊というグループ分けがあり、学生たちは自主管理の下で勉強や部活を行っています。
掃除やアイロンがけは命がけの業務であり、拭き残した埃があれば一部屋丸ごとお仕置き(笑)される、という理不尽極まりない世界です。
そして、だいたい一人や二人はそういう生活に疲れたり、ついて行けなくてドロップアウトするものが出てきます。
それを「意思だから」と認めて見送るか。
それとも「みんなで頑張ろう!」と全員で分担したり指導したりしてしのいでいくか。
さまざまな運命の分かれ道が目の前に転がっているのです。
水泳が苦手とか。
授業についていけない、とか。
普通の大学生だったら、なんとなく逃げ道を見つけてするりと単位を貰えそうなところも、ここでは絶対に逃げること許されないのです。
そんな過酷な日々ですが、それでも笑いは起こるし、恋?も生まれるのです。
いつか人を率いて戦うために
学生たちは、ぶつかり合い、いがみ合い、恥をかきあって、
一学年の夏休みを迎え、二学期を迎え、そうして少しずつ成長していきます。
それぞれの実家の事情や、志願した理由なども判ってきて、お互いに認め合えるようになってきたのです。
彼らを見守る上級生は、
しかしまだまだこれからかなりの試練が降ってくるのだろう、
ということを予感させてくれます。
上級生も含めて、我が子と同い年の子たちが必死で『国防』を考え、仲間を思い日々奔走する姿は、とても眩しいです。
実際、次男の同級生が今在学しており、息子もこれを読んで「〇〇もこんなことしてるのかなぁ」と、LINEでメッセージを送っているようです。
親の世代としては、彼らが独り立ちするまで連載が続いてくれたら良いなぁ、と思いつつ。
そんな彼らが何事もなく定年退官できるまで、日本が平和でありますように、と思わずにはいられないのです。
まとめ
防衛大の学生だって普通の男の子だし、普通の女の子です。
ただちょっと環境とやってることが特殊なだけで。
そんな彼らの日々をコメディタッチで(時々はシリアスに)描いているマンガです。
彼らが一人前になるのは楽しみだけど。
それが役に立たないままに、平和に終わってもらえることが平和と安全の証拠なのだと思うのです。
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