漫画家の藤堂裕氏が書いている
『知られざる光秀の半生』の物語です。
明智光秀の実在の子孫である
明智憲三郎氏が書いた
『本能寺の変・四二七年目の真実』というお話を
もとにして書いた『S-最後の警官』が
藤堂氏を有名にしましたね。
明智光秀は再来年の大河ドラマで取り上げられるので、
再び話題に上がってきています。
知られざる光秀の半生
明智光秀の年齢や出身地は、
じつは定かではありません。
彼の実像は豊臣秀吉らによって捻じ曲げられ、
江戸時代に書かれた軍記物、
今でいうエンタティンメントの
フィクションで塗り替えられてしまい、
ほとんど解明されていないのです。
有名な『敵は本能寺にあり』という言葉すら、
江戸時代の劇作家が作ったもので、
私たちはそれを「史実」と混同するようになっていたのです。
信長亡き後に天下を手中にした豊臣秀吉は
『惟任退治記』で彼を貶め、
自分の正当性を押し上げることに成功したのです。
そのイメージ戦略が、
400年以上経過してなお、
私たちを洗脳し続けているのですね。
明智憲三郎氏は、
そのさまざまな矛盾を検証し
「歴史捜査」を続けているのです。
明智家の血筋が示すもの
明智憲三郎氏の家系は、
光秀の残した男子「於寉丸(おづるまる)」の
末裔とされています。
近代になるまでは、
その素性をまったく隠し続け、
明治になってから新政府に申し出て
明智の姓を復活させたのだと言います。
彼はその疑問を自らが解明するしかない、
としてライフワークの「歴史捜査」を開始。
理系出身者らしい緻密さで、
これまでの定説とされてきた諸説を潰しにかかったのです。
藤堂氏はその説に感銘を受け、
その時代や文化にまったく知識のない状態から
ぐいぐいとのめり込み、
自らがコミカライズをしたいと申し出て
このシリーズのプロジェクトが始まったのです。
「好き」というエネルギーは、
素直にその画面から迸る勢いで
光秀を始めとする戦国武将らの姿に反映されています。
「いつか大河で明智光秀!」はかなったけれど
作者である藤堂氏・明智憲三郎氏だけでなく、
ファンもみな「いつか大河で明智光秀!」
という言葉を唱えていました。
そして、叶うことならば子孫の手で解明された
光秀の実像を基にしたドラマを!と熱望していたのです。
なぜなら、定説である「真実ではない」光秀の姿が
大河で描かれてしまったら、
日本人の意識の中に残る光秀像は
これからずっと事実ではない
虚像そのものになってしまうからです。
しかし、残念ながら
大御所とはいえ脚本家は別の方になってしまいました。
この数年で「明智光秀」と検索すると出てくるのは、
明智憲三郎氏の説です。
すべてをとは言えませんが、
虚像ではなく、実像に限りなく近い
光秀の姿が大河ドラマに反映されることを、
ファンとしては祈らずにはいられません。
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まとめ
藤堂氏の
パワーあふれる戦国武将の描写は凄まじい迫力で、
明智憲三郎氏の世界を
さらに増幅するような勢いです。
そこに合わせて、
光秀の妻への細やかな愛情や、
戦国の女性らの厳しい人生が美しく描かれており、
彼らの人間性をさらに増幅しててくれています。
文章で読むかコミックスで読むか、
そのいずれもがとても魅力的なシリーズとなっていますよ。
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