「君の膵臓を食べたい」の著者、住野よるさんの作品はどれも素敵です!
表紙の淡い色味とタイトルに惹かれて読み始め、すぐに読破した記憶があります。
小学生の女の子、菜ノ花ちゃん目線で書かれる物語は読むと色んな気持ちになります。
菜ノ花ちゃんの日常だけど、学ぶ所もある
この物語は小学生の菜ノ花ちゃん目線で書かれるので、SFやホラー、ミステリーなどを期待している方にはむいていないかもしれません。
自分の近所にもいそうな女の子で、ありふれた日常ですがそれを書こうと思い、小説に仕上げた住野よるさんは流石ですね!
菜ノ花ちゃんが小説内で出会うのは、アバズレさん(と呼ばれる女性)、自殺希望の南さん、一人暮らしのおばあちゃん、そして小学校のクラスメイト数人と桐生くん、学校の先生たちです。
それぞれの人と出会っていく中ですれ違いや、お互いの存在が力になったり励まされたり、この物語を読んで宝物にしたい言葉もたくさん見つけました。
人生で一度は味わうような気持ちがたくさん盛り込まれていて、きっと共感できる部分があるはず!
幸せって、なんだろう?
個人の感想ですが、この物語のもう一つのタイトルのように思えました。
小学校の授業で「幸せとはなにか?」という題を発表することになった菜ノ花ちゃん。
アバズレさんや、南さん、おばあちゃんそれぞれに聞いていきますがみんなバラバラの答えです。
でもみんなは今まで生きてきた中で経験したことや自分の信念を元に答えていて、かっこいいなと感じました!
アバズレさんの幸せは「幸せとは、誰かのことを真剣に考えられることだ。」
アバズレさんは菜ノ花ちゃんと遊ぶようになってから相手のことを考えて行動したり、菜ノ花ちゃんが好きなお菓子を用意したり、相手のことを考えられる時間があるのは幸せだ、と言っているように聞こえました。
南さんやおばあちゃんもそれぞれ答えているので、読んで探してみるのも楽しいかもしれないです!
意外と深いストーリーなので、好みが分かれるかもしれない
「また、同じ夢を見ていた」は、恋愛マンガや恋愛小説のようにセオリーが決まっていて誰々と付き合って、一波乱あってハッピーエンド!のような小説ではないので、深く考えさせられるような物語が苦手な方は少し難しいかもしれません。
逆に「人生とはなにか?」「幸せを感じる時って何だろう?」など、深く根本を討議するのが好きな方同士が読めば盛り上がると思います!
自分が幸せを感じる時、何を大事にしたいか。
この小説を読むとこどもゴコロも思い出せるかもしれないですね!
ハードカバー(いまは文庫版もあるかもしれないですが)なので、とっつきにくかったりがっつり活字なので興味ない方も多いかもしれないですが、感動出来る純粋な気持ちも思い出させてくれる小説です!
まとめ
人それぞれ幸せの形は違うし、大事にしたいものも違う。
当たり前だけど日々生活しているうちに気持ちも、考えることも忘れてしまいがちです。
でも一回休憩して、いまの自分にとって幸せとは何だろう?など感情を整理したり、物語に浸る時間があってもいいと思います。
きっと住野よるさんの作品は、そんな時間のサポートをしてくれると思います。