作者のヒョーゴノスケさんは、元ジャンプ漫画家であり、ゲームクリエイターでもありましたが。
娘ちゃんとのいとおしい日々を「忘れたくない!」という思いから実録漫画を描き始めてツイートしたことから単行本になった、という作品です。
まるで親戚のおばちゃんのように、一緒に娘ちゃんの成長を喜び、しかし、急いで大人にならないで欲しいなぁ、と思ってしまうような、そんな穏やかな日常が描かれています。
『無職になった日』…って、お父さん!一大事じゃないですか
所属していた会社が解散してしまい、その日から『イラストレーターを目指す無職』になってしまったヒョーゴノスケお父さん。
『貧乏になったらごめんね』という彼に、娘ちゃんは答えます。
『大丈夫!私のお年玉があるから』ヒョーゴノスケお父さんはそんな彼女にうる!っとするのですが。
彼女のチャンネルは鋭敏で、さまざまなことに驚き、喜び、涙するのです。
おとなになると忘れちゃうんだろうな、ということがいかに多いか。
そういうことを追体験する感じで、嬉しくなってしまうのです。
若い人が読めば、ああ、小さいころにはこんなだったかも、と思うだろうし。
子どもを持つ人が読めば、我が子のちびっ子時代を思い出し、にんまりわらってしまうことでしょう。
どっちが良いのかなぁ…?
作者のヒョーゴノスケさんは漫画家さんから始まって、ゲームクリエイターだったらしいのですが。
その会社が解散してしまったことで方向転換を余儀なくされてしまったのだそうです。
しかし、そのbefore/afterが面白い。
サラリーマン時代:(泣きながら)パパっていつもお仕事で家にいないね。他の子はパパと遊んだりしてるのに…
今:(怒りながら)パパっていつも家にいるね他の子のパパはちゃんと会社に行ってるのに…
そのいずれもに対するパパの返答は『ごめんよ…』です。
でもね、娘ちゃん、家にいながらもちゃんと仕事してるんだよ、パパは。
大人になればわかるかな…。
そんなパパとのお出かけで駅名を見て『王子』という名前にドキドキしたり、『自由が丘』という名前にほっこりしたり。
ああ、娘ちゃんて幸せな子供だなぁ、と思うのです。
ある日娘ちゃんが言うことには
まだ、小学校に入ったばかりで、ヒョーゴノスケお父さんの目の前で漢字の書き取りをしている娘ちゃんが言うのです。
「はー…昔はよかったなー」
そのココロは…「いつでも寝れたし」「いつでも遊べたし」「いつでもミルク飲めたし」…
その時点でも人間て解雇主義に陥ることってあるのかー、と新鮮な気持ちになりました。
驚きに満ちた日々を過ごしていながら、それでもそんなふうに思うのか~~~と反対に新鮮だったり。
さて。世の中の多くの子供が疑問を持つ『サンタさんはいるのか問題』…これも彼女の視点は独特です。
貰ったプレゼントと同じものをIKEAでみつけてしまった娘ちゃん。
お父さんにそこんとこを突っ込みます。
お父さんはどぎまぎしながら切り返します。
うん、こんな風に一生懸命応えてくれるお父さん、そうそういないよ、娘ちゃん。
まとめ
娘ちゃんがハッピーならヒョーゴノスケお父さんもハッピー。
Twitterでそれを読めた私たちもハッピー。
それが一冊にまとまって読めて、とてもシアワセ、という漫画です。
どこにでもいる父と娘の、今この瞬間にしかない大切なもの
それを、垣間見せてもらえることが、本当にシアワセ。
そんな気持ちを、みんなで共有してみませんか?