本に興味がある人、本を愛する人にはぜひ読んでほしい、
何回でも読み返したくなるストーリーです。
作家は「神様のカルテ」で有名な夏川草介さん!
表紙の絵にも惹かれますが、帯にある「お前はただの物知りになりたいのか?」の文字に心動かされ、
読破しました!
夏川草介さん独特の世界観と言葉選びに惹かれる!
夏川草介さんの小説に出てくる話は、
ファンタジーやホラーなどなく
特に今作の舞台は書店。
夏木書店を営んでいたおじいちゃんが亡くなって
遺された高校生の孫、夏木林太郎くんが主人公。
周りを見渡せば現実でもありそうな設定で、
ぶっ飛んでるいないのでそこが気に入りました。
そして言葉選び!
読んだことのある方なら共感されるかもしれませんが、
夏川草介さんの小説に出てくる言葉遣いは少し古風だと感じました。
前作の「神様のカルテ」の主人公、栗原一止先生も
愛読書が「草枕」らしいので、
夏川草介さん自身の感性の話なのかもしれないですね!
読み進めていくと口調や言葉が心地よく感じて、
購入してからあっという間に読破してしまいました!
読後の心が爽やかになるあの気持ちは、
夏川草介さんならではだと思います!
現実の本の実態を訴えているお話
この本の見出しを見ると「閉じ込める」、「切り刻む」、「売りさばく」
、、なんだか不穏な言葉が並んでいて不思議に思いましたが、読んで納得しました。
確かに今の本の実態だと思いました。
一ヶ月で百冊読むことをノルマにして読んだ後は
- ガラスケースに閉じ込める者
- 活字離れが進んでいる世間のために「速読」を勧めるため本を切り刻む者
- 世界が必要としている本を売り出すために本を売りさばく者
、、私も読んでいてどれも現実世界にも当てはまるお話だと思い、
他人事には感じられませんでした。
いまは全て電子書籍化が進められていて、活字離れも進んでいけば、
将来はもしかしたら紙の本がなくなってしまい
電子書籍になったりあるいは「本」の存在自体が消えてしまうこともあり得ると思うと、
なんだかリアルでした。
主人公が問題を解決する姿は感動する!
先程書いた数人の本を大切にしない者たちを相手に、
主人公の夏木林太郎くんが解決していきます。
魔法ものみたいにスパッとなんでも解決!ではありませんが、
言葉を巧みに使い、相手を納得させ改心させていく物語は、
読んでいて感動します。
もちろん綺麗事だと思う方もいるかもしれないですが、
何もしないで誰かが解決するのを待つより
何か一つ小さなことでもやり続けて意思を貫く姿は美しく、
なんだか勇気をもらえました。
もちろん主人公の夏木林太郎くんは最初から強かった訳ではなく、
はじめはおじいちゃんが亡くなったショックで不登校になっていました。
そこに夏木書店にしゃべるトラ猫が現れ「力を貸してほしい」と頼まれて、
クラスメイトであり学級委員長の柚木沙夜ちゃんと共に
問題を解決していきます。
問題を解決したり窮地に追い込まれる度に亡きおじいちゃんの言葉を思い出したり、
誰かのために、本のために戦う姿はきっと引き込まれると思いますよ!
まとめ
- 活字は苦手で、どんな本を読んだらいいかわからない!
- 分厚そうだし苦手かもしれない。
そんな人にも自信を持ってオススメできる小説です!
一度読めばきっと夏川草介さんの魅力に引き込まれて、
読破することまちがいなし!
本が大好きな方にもきっと満足してもらえます!
買って損はない、そんな小説です。