失われた幻の都ピラメセスはカンティール？ラムセス2世の伝説の都の秘密

2018.7.16 13:43 2018.7.18 20:30

ピラメセスとは、古代エジプトの大王ラムセス2世が建てたといわれる、伝説の都のこと。
ラムセス2世は紀元前1300年頃、約3000年前のファラオです。

ラムセス2世が建造した、もっとも大きなもの。
それはラムセス2世が自身のために建てた都、ピラメセス。

しかし長年その存在や場所は判明しておらず、謎に包まれた存在となっています。
ラムセス2世が残した伝説の都市、ピラメセス。
その謎を追ってみました。

伝説の都市「ピラメセス」！ラムセス2世が建てさせた都

ラムセス2世は数々の巨大な建造物を建てていますが、いちばん大きなものは「ピラメセス」だといわれています。

ラムセス2世は在位してまもなく、首都をナイル川付近への街へと移し、街の名前を「ピラメセス」としました。

ピラメセスとは、ラムセス2世のための都そのもの。
建造物というスケールではなく、まさに自分のための街をつくらせていたのです。

しかしラムセス2世の死後、その都は跡形もなく消え去ってしまいました。
現在でも、ピラメセスがどこに消えたのか、またはどこかの都市に移り変わったのか…いずれも謎のままです。

しかし大王ともあろうラムセス2世が建てさせた、自分のための都。
巨大建造物なら朽ちて消えることもあるかもしれませんが、
都が1つ、跡形もなく消えてしまうことは考えられません。

消え去った訳としては、都の建設に使われた貴重で高価な石材の数々。
後世の王（ファラオ）がラムセス2世の都ピラメセスから、それらの石材を持ち出して
自身の建造物や都に使用したのです。

また、ピラメセスの都はそのまま使えず、場所を移転せざるを得なかった理由も
考察されています。
当時ナイル川の氾濫が頻繁におこったことにより、支流が流れを変えることが
多くありました。

そのため、都を移転せざるを得なかったのです。
川やの流れ1つで都市が滅んでしまったことは、珍しいことではありません。

古代エジプトの時代、このようなことはよくあることでした。
何代にもわたってピラメセスの石材が持ち去られるうち、いつしか姿かたちが消え去ってしまったというわけです。
その位置すら特定できていません。

ピラメセスの跡は今どの都となっているのか。
いくつかの有力な説があります。

1つは、古代エジプトにかつて存在したタニスの街。
タニスがピラメセスの跡地ではないか、という説の理由としては、
タニスの街をつくる際に使われたのが、ピラメセスから持ち出した石材であったことから。

そのため、ピラメセスもタニスの付近にあったのではないかという説もありますが、
いまだにハッキリとしたことはわかっていません。

2つめは、カンティール。
カンティールが古代のピラメセスではないか、というのは
現在もっとも有力とされる説です。

現在のカンティールの区域から、ラムセス2世の時代の石材や土器のかけらが
大量に発掘されています。

しかし大きな建物はほとんど発見されていません。
これは約3000年前、タニスに建物を移築し、カンティールの街は放棄されたと考えられています。

歴史学者のあいだでは、ピラメセスは旧約聖書の都市「ラームセス」ではないかといわれています。
ラームセスとは、古代イスラエル人が建てたといわれる、財宝の街。
ラムセス2世は、モーセが人々を解放するように、強要をしたファラオではないか…という説もあります。

ラムセス2世が残した伝説の都市、ピラメセス。
今なお謎に包まれています。

はたしてタニスの街なのか。
それともカンティールの街なのか。
今なお解明されていません

しかし近年になって技術の進歩により、地下のスキャン等も可能に。
ピラメセスの正体が明らかになるのではないかと期待されています。

そして2018年7月20日（金）21時00分から放送される
BS朝日の「地球大紀行」にて、ピラメセスを特集します！

内容としては、近年、ラムセス2世の名前が刻まれた石造の一部が発見され、
その地点の地下をスキャンしたところ、大都市の姿が。
その大都市こそ、伝説の都「ピラメセス」ではないかというもの。

ピラメセスの謎に興味のある方は必見です！