サブタイトルが『家メシ食堂ひとりぶん100レシピ』
…その表紙にあるのは、いかにもとろけそうな黄身が半熟の煮卵の写真…!
本屋さんのショーウィンドウに飾られていたその写真につられて
思わず”ジャケ買い”してしまった一冊です!
煮卵だけじゃなかった!
著者は手抜き料理研究家でブロガーのはらぺこグリズリーさん。
日々安くて簡単で美味しくてお腹が一杯になる、
そんなメニューの追及に余念のない方です。
家族で住んでいても食べる時間がバラバラとか、
子どもの夜食とか、主婦の一人家メシとか。
個食化が進んでいる現在だからこそ、ちょっとの手間で家にありそうな材料で、
こんなおいしいものが作れるのか?!という意味では大変衝撃でした。
高い材料とかデリケートな調理法なんて、一般人には無理無理!と思っても、
これなら男子中学生でも上手い飯が作れるよ!と目からうろこがぽろぽろ…。
まぁ、だまされたと思って手に取って、ぱらぱら写真を見てごらんなさいよ、
材料費の目安から調理の段取りまでが分かりやすく書かれていて、
下手な大判のレシピ本よりずっと使えるから!
世界で一番おいしいトマトソースの作り方
そんなチープな料理の本の中に
『世界で一番美味しい』と銘打ってしまうところが良いなぁ、
と思ったのですが。
我が家ではもともとトマト缶をストックしているので、
それを使って作ってみました。
なんだこれ美味しい!
入れる粉チーズや玉ねぎの黄金比は、
かなりな回数の実験を繰り返した結果だったんでしょう。
そんな情報を惜しみなくブログで、
そしてこんな値段の本で教えてくれるというのが素晴らしい!
と思ったのです。
また、パスタ料理のちょっとしたコツや
割と本格的なお魚料理、お酒のつまみ等々、
そのレシピの分野は多岐にわたります。
ページを楽しくめくりながら、
家にある食材を思い出して今すぐ作れるものは何かなと考えたり。
写真を見ているだけでもとても楽しい、
そんな本です。
本格スィーツが素晴らしい!
チープなご飯だけじゃなく。
本格的なガトーショコラや手作りプリンなど、ちょっと気合を入れて作るようなスィーツや、
毎日のおやつにもぴったりのお手軽なお菓子が沢山掲載されています。
最も驚いたのは餃子の皮を使って作るおせんべい!
この発想はなかった!!!
ちょっと小腹が空いた時に
材料を工夫したらあれこれ出来そうだなぁ、と思ったり。
食いしん坊さんのあくなき探究心は素晴らしい。
朝食から日常ランチ~ちょっと豪華ランチ、
ガッツリ晩御飯に酒のつまみ、
しあげにオシャレなお茶漬け、
おまけにスイーツ!
なんという豊かな食卓でしょう!
作るかどうかは別にして。
とりあえず手に取ってめくってみて欲しいです。
普段料理をしない人でも「ちょっと作ってみようかな?」
と思える何かがきっと見つかります。
まとめ
料理し慣れていない人が困るのが
『少々』とか『適量』という表現なのだそうですが。
戸惑うことなく、スムーズに調理できるように、
あいまいさをばっさり切り捨ててずばずば料理できるように、
という配慮をもってこの本のレシピはかかれています。
新書版というサイズは手に馴染み、
バッグに入れて持ち運んでも困らない嬉しい仕様になっています。
通勤の電車でこれを読み、帰りにコンビニで材料を調達して、
帰宅後ぱぱっと作って豊かな一人ディナーとか、
想像してみても楽しいですよね。
あの時、この本をディスプレイ用に選んでくれた書店員さん、ありがとう!
と言いたいくらい、出会ってハッピーになった一冊でした。
世界一美味しい煮卵の作り方 家メシ食堂 ひとりぶん100レシピ (光文社新書)