映画「海すずめ」は、
2016年の7月2日に劇場公開された
大森研一監督による青春ドラマになっております。
「宇和島伊達400年祭り」を記念して、
「ライトノベルの楽しい書き方」などの
愛媛県出身の映像作家によって制作された作品です。
映画「海すずめ」ストーリー紹介(ネタバレなし)
赤松すずめは処女作「ゆめのなか」で新人賞に輝いて、
小説家として華々しくデビューしました。
その後は新作の構想がさっぱりと思い浮かばずに、
執筆活動も長らく行き詰まっています。
現在ではふるさとの愛媛県に戻って、
市立図書館で利用者からリクエストされた書籍を
自転車で運ぶメッセンジャーの仕事を担当しています。
折しも町は伊達家の13代当主・伊達宗信を祝う
「400年祭り」の準備の真っ最中であり、
武者行列で使用する刺繍を復元ための稀覯本「武家伝来の本」を
図書館員一同で探していました。
自転車課が廃止へと追い込まれていることを知ったすずめは、
地元の仲間たちと力を合わせて
図書館の危機とお祭り成功のために立ち向かって行くのでした。
主演の武田梨奈の魅力
ヒロインの赤松すずめに扮している、
武田梨奈の多彩な表情とフレッシュな演技が
魅力溢れていました。
1991年生まれの女優さんになり、
武田玲奈の姉にも当たります。
端正なルックスと細身なスタイルに似合わず、
琉球少林流空手の黒帯を取得しています。
「ハイキック・ガール!」や「KG カラテガール」を始めとする、
ワイヤーやスタントを使用しない
体当たりのアクションが迫力満点です。
榊英雄監督の衝撃的な作品
「木屋町DARUMA」での怪演技には
忘れ難いものがありました。
本作品でもヘルメットを装着して
ロード用のサイクルに跨がり、
海沿いの道のりを駆け抜けていく姿が
勇ましかったです。
作家としても図書館員としても
中途半端な女性の成長を体現していていました。
映画「海すずめ」を見た個人的感想
ストーリー舞台に設定されている、
愛媛県宇和島市内の豊かな自然に囲まれている街並みや風景が
美しさ溢れていました。
時折挿入されていく回想ショットでの、
無機質なイメージの都会のオフィスとのコントラストにも
味わい深いものがあります。
久しぶりに再会を果たした高校時代のクラスメイトとの
同窓会でのぎこちない会話や微妙な温度差が印象的でした。
1度は生まれ故郷を捨てたつばめの後ろめたさと、
退屈な毎日の繰り返しから抜け出すことが出来ない地元の若者たちとの
距離感を感じました。
人生に迷ったつばめのラストでの旅立ちからは、
都会であれ田舎であれ自分らしい生き方を貫き通して
それぞれの幸せを追い求めていくことの素晴らしさが
伝わってきました。
映画「海すずめ」まとめ
生まれ育った故郷の町を遠く離れて
日々の暮らしを送っている方たちには、
是非とも見て頂きたい1本だと思います。
新しい場所での仕事や人間関係に
チャレンジすることを考えている人にも、
お勧めな映画になっています。