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映画「パージ」は、2015年の718日に劇場公開されたジェームズ・デモナコ監督によるエクストリームスリラーになっております。

「ニューヨーク、狼たちの野望」などのハードボイルドなタッチのシナリオが持ち味の脚本家が、1年に1度だけ全ての犯罪が合法化される夜「パージ」をテーマにした物語です。

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映画「パージ」ストーリー紹介(ネタバレなし)

2022年の321日のロサンゼルス近郊に立地する富裕層専用の居住地区にマイホームを構えるジェームズ・サーディンは、いつものように仕事終わりに妻とふたりの娘と一緒に優雅なディナーを楽しんでいました。

国中に響き渡るサイレンの轟音とと共に、午後の7:00から翌朝の午前7:00までの12時間はありとあらゆる社会的なシステムが停止していきます。

社会的な地位と安定している財産を所有するサーディン一家にとっては、貧困層をターゲットにした「パージ」はあくまでも他人事です。

しかしながら迷い込んできたひとりの男を匿ってしまったことによって、平穏無事な暮らしを送っていたジェームズたちは予想外のハプニングへと巻き込まれていくのでした。

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主演のイーサン・ホークの魅力

主人公のジェームズ・サーディンに扮しているイーサン・ホークの、熱演が見所になります。

誰しもが正体不明の権力者に従って理不尽なシステムに忠誠を誓う中でも、僅に残されている人間らしい喜怒哀楽を守り抜く生きざまには胸を打たれました。

アンドリュー・ニコル監督が1997年に発表したカルト的な人気を誇るSFアドベンチャー「ガタガ」では、遺伝子操作によって全てがコントロールされていく世界の中で「不適正者」の烙印を押されてしまった青年の苦悩を体現していたことが思い出されます。

熱心な民主党支持者でありバラク・オバマ前大統領の信望者でもあるだけあって、本作品の中でも痛烈な政治批判やメッセージを込めた演技が感動的でした。

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映画「パージ」を見た個人的感想

経済が崩壊した近未来のアメリカ社会で、混乱に乗じて強引に政権を奪取した全体主義を掲げる新興勢力「アメリカ建国の父」の不気味さに圧倒されました。

得体の知れない支配者には、就任直後から「アメリカファースト」を訴え続けている現職の大統領の姿を思い浮かべてしまいました。

パージの発動によって警察組織から医療機関までの全ての社会システムが停止していくシーンには、核戦争後の無法地帯のような不気味さを感じます。

マニュアル化されていく時代の流れに対して、疑問を抱くことなく幸せな表情を見せる群衆が何とも不気味です。

犯罪を容認する制度の導入によって、犯罪発生率が低下していく不条理な世界には皮肉な味わいがありました。

映画「パージ」まとめ

最悪の未来が映し出されていくストーリー展開の中にも、移民排斥運動や格差社会への痛烈なメッセージや批判には考えさせられました。

「華氏451」や「1984」を始めとする、ディストピアを描いた映画に造詣の深い方たちには、是非とも見て頂きたいと思います。

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