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西郷どん」の中で、
唯一と思われる穏やかな日々であった
奄美編に終焉が訪れます。

妻となった愛加那との睦ましい暮らしぶりの中で、
西郷は第一子となる男児を授かりました

ずっとここで暮らしても良い、
そう思うようになった彼を
情勢は見逃してはくれませんでした。

 

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その子の名前に込められた意味

愛加那の産んだ男児は、
西郷にとっては長男です。

西郷はその子に
「菊太郎」と命名するのだと宣言
しました。

彼の仮名である「菊池」からとった一文字と、
長子であることを示す「太郎」という、
これ以上はない贈り物の名前です。

しかし、それを聞いていた龍佐民は、
それを思いとどまるように言います。

西郷はいずれ薩摩に帰る、
そしてそこで正妻をめとることになるだろう。
子が生まれたらその子が西郷家の跡取りになる。
だから、太郎という名は使えない

というのです。

愛加那が奄美を出ることは許されませんが、
子供は薩摩に渡ることが出来ます。

その時に引き取られた先の西郷家で、
「太郎」を名乗ることで立場が悪くなるのを
見越しての事でした。

島の民としての身の程を知ることが、
彼らを守ることになる、
それは奄美の民として辛酸をなめつくした
彼だからこそ言える言葉でした。

 

 

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これまでの作品でその名前の謎を紐解いたものはなかったのです

これまで西郷隆盛を扱ったドラマは多々ありましたが、
長男であり、結果的に唯一の男子である息子の名前が
なぜ「菊次郎」であったのかということに着目した作品は
記憶にありません。

それを奄美の事情や、
西郷と愛加那の関係性も含めて、
短く、しかし端的に語った林真理子さんの原作、
そして中園ミホさんの脚本という女性の視点から見た西郷の姿は、
その時代をより一層くっきりと見せてくれるもの
となりました。

この作品は男臭いドラマと思われがちですが、
実はとても濃やかな心理描写を見せてくれているのです。

ことに、愛加那のおおらかで包み込むような愛情は、
歌や微笑みで鮮やかに表現されますが、
夫を思うからこそ背中を押すように送り出していく彼女の美しさは、
奄美での西郷の幸せの全てであり、
象徴だったと思うのです。

 

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大久保により薩摩に引き戻される西郷の、これからの戦い

西郷の前に突然現れた大久保は、
藩の上層部に引き上げられ、
その発言力を増してさまざまなところに掛け合い、
西郷を連れ戻すために奔走したのです。

それは間違っていなかったのですが、
結果的には夫婦を、そして親子を引き裂くことになってしまいました

後に、菊次郎とその妹は薩摩に引き取られるのですが、
それは子供と母親の永遠の別れとなってしまうのです。

しかし、時代はそんな感傷を許すことはなく、
明治維新、そして西南戦争へと突き進んでいくことになります。

西郷の人生の中で唯一穏やかであった、
奄美での日々が終わってしまいました。

しかしそこで得たものは大きく、
そしてこれからの彼にとって、
とても価値のあるもの
でした。

彼は自分のためでなく、
民のため、そして国のために働くことになっていくのです。

 

まとめ

西郷の人生には、
大きくベクトルの向きを変える出来事が
畳みかけるようにやってきます。

命とも思っていた君主・島津斉彬を失い、
尊敬していた同志である月照を失い、
呆然自失のままに流されてきた奄美の島で得たものは、
これからの彼にどんなものを与え、そして変えていくのか楽しみですね。

恐らく加速していく物語の展開の中で、
少しずつ明らかになっていくはずです。

西郷は完ぺきではありませんが、
それでもこれほどまでに愛されているのにはわけがあり、
きっとそこに大きな魅力があったということなのでしょう。

殺伐とした日々に突き進んでいく彼の
ほんのわずかなオアシスのような日々は、
ドラマの中でもほんとうに輝いていました

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