『銀河英雄伝説』は30数年前に執筆された田中芳樹氏の大長編です。
本編10巻分だけでも数年にわたって出版されており、以来何度も版を重ねてバブル期にアニメ、その後舞台化もされ、
とうとう宝塚でも上演されるという国内作品では屈指の名作と言われています。
今回、満を持しての再アニメ化が行われましたが。
20数年の時間を経て作られたそれは、CGなどの技術の向上も素晴らしく、より一層作品のイメージを増幅させてくれる出来栄えとなりました。
壮大なスペースオペラの、まだまだ導入部分でしかない物語
現在のシリーズはこの12話で一区切りとなりました。
主人公のラインハルト率いる銀河帝国軍と、ヤン・ウェンリー率いる自由惑星同盟軍が対決するところまで進みましたが。
12話を通してそれまでの歴史や彼らの人生を描き、どうしてこの戦場で相まみえることになったのか、を描いてきたのです。
それまでの流れでここまでの重厚さということは、
ここから先はもっと濃くて重たくて、しかし楽しみなものとなることだろう、と思うのです。
しかし全10巻のうち、まだ1巻と少しまでしか実は進んでいません。
膨大なキャラクターたちも、まだメインの人物以外は顔と、声がほんの少し披露された程度です。
ここから先がどんどん膨らんでいく、そんな予感でいっぱいなのですが。
続きはなんと来年以降の劇場三部作!というのです。
でもそれを楽しみに頑張って働こう、と思うくらいに待ち遠しい、大好きな作品です。
膨大なキャラクターをきちんと描いてくれるところが好きです
銀河帝国側も、自由惑星同盟側も、膨大なキャラクターを抱えています。
彼らが動くことがそのまま壮大な物語の流れとなるのですが。
その緻密な描写がそれぞれに素晴らしく、メインからニッチなところまで、キャラクターの容貌や声の設定がぴったりとハマるのです。
前回のアニメ作品の時には、その絵がどうしても受け入れられず、好きにはなれなかったのですが。
今回の作画を担当した菊池洋子氏の柄は、原作世界と現代の感覚が見事にマッチしていて、絶賛したいほどです。
好きでなかったら、このキャラをこんな風には描けないよな、と思うのです。
菊池さんだけでなく。
原作やその後のメディアミックスの数々を愛してこられた人たちが今回のスタッフとして入っていれば、
それはおもしろくないはずがない!と思うのです。
また、その膨大なキャラクター群に当てられた声優陣のキャスティングも、嬉しいラインナップでした。
そのお芝居をイヤホンで聴いているだけで、原作の文章が思い浮かぶほどです。
私が好きなキャラがまだこれから大活躍するので、とにかく追いかけ続けねば!と思っています。
まとめ
前作ではクラシックのレコードを音源として、
見事なアニメーションとの融合を演出した、という実績がありました。
今回はオリジナルのサウンドトラックを作成しての製作となっていますが。
広大な宇宙での艦隊戦などにもその音楽を使った素晴らしいシーンが多々あり、大変見ごたえがありました。
しかし、まだその物語は1/8程度の部分しか進んでいません。
これから先、物語の流れは知っていても、そこに生きるキャラクターたちの姿がどう表されていくのかがとても楽しみです。
以前の作品を読んでいる人、見ている人だけでなく。
まだ未体験の人にはここから原作へと進んでいただけたら、古参のファンとしては嬉しい限りです。