ひなあられに、地方によって違いがあることをご存知ですか?
と言われて、ほとんどの方がえっ?違い?味?形?と頭の中に??が浮かぶと思います。
そもそもひなあられは名前の通り、1年に1度、ひな祭りの時期にしか見かけませんよね。
ピンクや薄いグリーン、黄色などの優しい色合いのかわいい甘いひなあられ。
実は関西と関東で違うのです。
上の文章を読んで、そうそう甘くて懐かしいと思った方は、関西以外のご出身ではありませんか?
関東では、米をポン!とはぜた、“ポン菓子”に色粉で桃色、緑の色を付けた砂糖で甘くしたものがひなあられとして、江戸時代から親しまれていました。
一方、関西のあられも江戸時代ごろに起源があり、関西では、米ではなくてもち米を使って、青のりやエビの粉を混ぜ、塩や醤油で味付けしたしょっぱいものをひなあられと呼んでいます。
ひなあられのルーツって?元祖の先駆けは関西風?
ひなあられの起源は、関西の“あられ”であると言われています。
その理由となっている話をご紹介しましょう。
その頃のお坊さんが、お供えしてあったお餅であられを作って修行先に持って行き、そこの人々にあげたのが始まりと言われています。
関西のあられは、今のおかきに通じると言われており、お坊さんが作ったとされているあられがとても小さかったので、これがひなあられのルーツではないかという説があるのです。
“ひな”という言葉は、京の宮中の頃から、小さいものに付けられた言葉なので、ひなあられの名前の始まりは、
お雛さまの“ひな”ではなくて、その頃の和菓子職人が四季折々のお菓子を作り、名付ける時に“ひな”という言葉を使ったことではないかという説もあります。
ひなあられそのものも、名前も、関西にルーツがあるという説が強いようですね。
ひなあられをコーティングした甘い原料はコレだった!
関西以外でお馴染みの甘いひなあられは、あらかじめ着色した砂糖でコーティングする作り方と、
ポン菓子自体に着色して、最後に砂糖をかける作り方があります。
タイトルを見ると、砂糖がすぐに思い浮かぶと思いますが、関西、いわゆるしょっぱいひなあられ文化の地域では、
しょっぱい中に、チョコでコーティングされたあられも混ざっているそうです。
これは、大阪にある会社が、50年以上前に売り出したもので、以来子供たちに大人気だそうです。
今では、イチゴ味もあるとか。
余談ですが、しょっぱいひなあられには、青のりやエビ味に混じってマヨネーズ味も入っています。
これも子供に人気の味です。
最後に、独特なひなあられ文化を持つ地域をご紹介します。
それは、名古屋です。
名古屋のひなあられは、桃色や、緑色、白の色があるのは他の地域と同じですが、1袋に円柱形と丸いあられが混ざっていて、甘い味付けになっています。
ひなあられの色は、地域によって3色の所と4色の所があります。3色は、ピンク(桃色)、緑色、白で、ひな祭りに並べる菱餅と同じ色です。ピンク(赤)は生命のエネルギー、緑は木のエネルギー、白は大地のエネルギーを
表していると言われています。
また、4色の場合は、四季を表しているそうです。
まとめ
味も見た目も原料までが違うひなあられ。
狭い日本なのに、こんなに違うなんてとても興味深いですよね。
色々な時代を経てそれぞれの地域で生まれたものですが、どれも女の子の健康と幸福を祈るひな祭りを大切にしてきたという共通点があります。
このとても素敵なルーツがわかると、さらにひなあられがおいしく大切に感じられると思います。