映画「アバウト・タイム~愛おしい時間について」は、
2014年の9月27日に劇場公開された
リチャード・カーティス監督によるラブストーリーです。
テレビシリーズの
「Mr.ビーン」や「ノッティングヒルの恋人」などの脚本家によって、
2013年にイギリスとアメリカの2か国で
共同制作された作品ですね。
ストーリー紹介(ネタバレなし)
ティム・レイクは大学教授を引退した父親と、
自由気ままに生きる母親に囲まれて育ってきました。
イギリスのコーンウォール州に住む
ごく普通の21歳の青年です。
大晦日のパーティーで
ガールフレンドのメアリーとの間が
気まずくなってしまった翌朝
父親に呼び出され
一族に受け継がれてきた秘密を打ち明けられます。
暗い場所で両手の拳を握りしめるだけで
好きな過去にタイムトラベルできるという父の言葉に、
半信半疑ながらもクローゼットの中で試してみます。
すると昨日の夜に瞬間移動することに成功し、
メアリーとの仲も何事もなかったかのように
修復することが出来たのです。
ごく軽い気持ちでリセットしていくティムは、
いつしか大切なことに気付くのでした。
主演のふたりの俳優の魅力
ドーナル・グリーソンが演じている
主人公のティム・レイクの、
今時の若者らしい優柔不断な振る舞いが
微笑ましかったですね。
思いを寄せている異性との
不器用なコミュニケーションや、
あと一歩踏み込んでいけないじれったい様子にも
不思議な愛着が湧いていきます。
せっかく覚醒させた
時を駆ける貴重な能力を、
お金儲けでも歴史の改変でもなく、
ただ愛する人のために使う無欲な姿には
心温まるものがありました。
ヒロインのメアリー役にキャスティングされている
レイチェル・マクアダムスの純真無垢な笑顔や、
飾らない美しさにも共感出来ました。
1度は離れ離れになっていく2人の恋人たちを
時間の流れを越えて結び付ける、
熱い絆にはホロリとさせられます。
映画を見た個人的感想
ロマンティックコメディーの名手が、
タイムスリップをテーマにした
SFタッチで進行していくストーリー展開に
惹き込まれてしまいました。
ありきたりなカップルのデートから、
人生の一大イベントとも言える結婚式までを
サラリと描いているのが良かったですね。
ティムと同じ能力を秘めながらも、
極力その力を使うことがない父親のジェームズのキャラクターには
味わい深いものがあります。
「人生は結局同じ」というセリフの中には、
例え時間を巻き戻したとしても、
年齢を重ねていく宿命からは
逃れることが出来ないほろ苦さが伝わってきました。
幾度となくやり直される時間の中で、
ティムがかけがえのない人生の素晴らしさを実感する瞬間には
胸を打たれましたね。
まとめ
「あの時こうしておけば・・・」
という後悔の積み重ねによって、
人生は成り立っていることを痛感させられます。
過去を振り返ってしまうことが多い方たちや、
目の前に大きな選択肢が出現して
思い悩んでいる若い世代にオススメな1本です。