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同じ職場にいた10年先輩の

『真面目』が取り柄と言われている社員が、

気が付くと資料室や印刷室でやたらと声をかけてきて、

ランチに誘われるようになったのですが。

 

正直、興味もなかったし、

忙しくてそれどころではない、

と言っていたのですが。

彼はめげませんでした。

 

それには、彼なりのめんどくさい理由があったのです。

 

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それには、彼なりの、彼にしかわからない理由があったのです

彼は、悪い人ではありませんが、

忙しい時にやたらと話しかけられたり、

一人で作業をする資料室での探し物や、

客先に提出する大量の資料の印刷と製本などの作業の時に限って

その部屋に来る、そして話しかけてくる、

という状態にだんだん危機感を持ってきたのですが。

 

実害があるわけでもないからいろいろ言いづらいなぁ、

というのが正直な感じでした。

 

でも毎回断るのも同じフロアにいて気まずいしなー、

と思い、同期の男子に頼んで作業を手伝ってもらったり、

彼がいない時を狙ってそういった作業をするようになったのです。

 

そういったことでいろいろと画策しなければならない、

という意味では正直面倒でした。

 

上司に言うとさらに角が立つし、

と思っていたところで久々にタイミング悪く、

私がたまたま一人で作業しているところに来て話し始めたのです。

 

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前世の事なんぞ知らんがな!?

彼のいう言葉は、

まるで宇宙人のそれのようでした。

 

いわく。

○○(歴史上の人物)って知ってる?

僕の前世なんだよ。

そしてね、その妻っていうのは●●っていって、

素晴らしい女性だったんだ。

そしてね、君は気づいていないかもしれないけど、

その生まれ変わりなんだよ。

人はね、輪廻を繰り返しても同じように生きていくことが多いんだよ…。

 

…つまり前世で夫婦だった魂の生まれ変わりが、

彼と私だというのです。

そんなことを普通に言われてもちょっとなー…というか、

かなり気持ち悪いよ、それ。

 

いや、でも人類は確実に進歩してるじゃないですか?

前世と同じことしてるわけじゃないっすよね?

じゃ、忙しいんで、とごまかしてダッシュで部屋を出て逃げましたが

 

彼はまだニコニコしていて、

本当に気持ち悪かったんです

 

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それは自己啓発セミナーとやらのたまものだったらしい

当時、バブルがはじけた頃でしたが、

怪しい『自己啓発セミナー』

ぼこぼこと創設されていたらしいのです。

 

有名なところから宗教まがいのところまで、でてきていて、

自分たちがやる分には別に構わないけれど、

それで周囲を巻き込むなよー…というが正直な感想でした。

 

前世云々といってもね、

だから何それ?

としか思えないし。

 

いきなり『夫婦になる運命』みたいなことを言われても

『無理無理無理無理無理!』としか言えません。

 

さすがに、直属のグループリーダーに話さざるを得ませんでしたが。

注意をするのも難しい話題なので、苦い顔をされ、

面倒を避けるという意味で、結局私の方が客先での勤務を増やしてもらい、

距離を取ることにしました。

 

当時は携帯電話もSNSもなかったので、

実害はそこでストップ。

私が結婚退職するときにも顔を合わせずに済んだので、

今どうしているか分かりませんが。

 

純朴な人を無駄にポジティブにして、たきつけて、

そういうことを吹き込む自己啓発セミナーというのは

絶滅してほしいなぁ、

というのが正直なところです。

 

まとめ

彼は、決して悪い人ではなかった

と思っていますが。

 

それでも、

いい歳した大人がそういうのはちょっと勘弁、

というのが正直なところでした。

 

そういうことに免疫が無さ過ぎたのか。

それとも夢を見ちゃったのか。

本気で前世を信じていたのか、信じたかったのか。

 

今となってはですが。

誰か、その彼の説を理解してくれる女性がいたら、

きっとハッピーになれるのにね、

と当時は思ったのでした。

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