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新選組大好きな作者が描こうとする、土方歳三と箱館戦争の物語です。

会津から転戦してきた土方らはやっと蝦夷地に上陸し、

猛吹雪の中を行軍し、箱館の地を目指します。

 

土方の小姓として慕い、付き従ってきた市村鉄之助ら幼い少年たちは

未だ戦の本当の意味も解らぬままに毎日を生き延びていたのです。

 

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とにかくキャラクターが多い!

新選組はメインストリームのキャラクターが多いものですが。

この作品は作者の新選組オタクぶりがすさまじく、

ニッチな人間関係までも克明に描き込もうという意欲が凄くて、

とにかく登場しているキャラクターの数が数倍のレベルとなっています。

 

しかし、彼らへの愛がそうさせるのか。

一人としてぞんざいに扱うことが無いのです。

 

一体どれほどの研究を積み重ねてきたのだろう、

というほど、一般的な新選組書籍では戦績に名前が一度出てくるかどうか、

というレベルのキャラクターにもドラマを描こうとしているのです。

 

それぞれに対する愛が凄い。

読んでいると、その会話や表情にもこだわりがいっぱい詰まっていて、

思わず「これ誰だっけ?」と思うキャラにぶつかると、

そのままスマホやパソコンでリアルな彼らを検索して読みながらページをめくる

というような作業が始まってしまいます。

 

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箱館から松前藩への行軍

箱館・五稜郭へと入った土方らでしたが。

少年らは、親しかった者たちが斬り込みの戦を仕掛けたことで犠牲が生じ、

『死』をひしひしと身近に思うこととなるのです。

 

新政府側(官軍)と旧幕府軍の混戦が展開される中で、

土方らは松前藩(新政府に恭順している陣営)へと和議を促すために

松前藩へと向かうのです。

 

鉄之助らは、落城した松前の城の中で

『お方様』と呼ばれる美しい女性と出会います。

松前藩の城主の正室が身重で取り残されていた、というエピソードなのですが。

このくだりは、他の作品でも書かれており、

おそらくは史実であろうと思われるのです。

 

鉄之助らの、少年らしい潔癖でまっすぐな気性が描かれる場面であると同時に、

その当時の松前の、本州からすれば最果てと見える蝦夷の地が、

交易によって思いのほか豊かであったのだという歴史を描いているのです。

 

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まとめ

一巻に引き続き、巻末にはニッチな『箱館人物』録が掲載されています。

ホント、この作者は土方歳三とその愉快な仲間たちが大好きなんだなぁ、

と思うのです。

 

二巻でまだこのペースだとすると、函館戦争が終わるまではまだまだかなりな時間と、

もの凄い密度の物語が展開されるのだと考えます。

新選組のファンだけでなく、これまで、新選組・函館戦争を知らなかった人にも、

是非ご一読いただきたいシリーズです。

 
【 星のとりで 1巻感想はこちら 】
作者の新選組への愛が半端ない!星のとりで 箱館新戦記 一巻 感想

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