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映画「渾身 KON-SHIN」は、2013112日に劇場公開された錦織良成監督によるヒューマンドラマになっております。

元になっているのは川上健一によって集英社文庫から刊行されている同名小説になり、伊藤歩の主演によって映像化されています。

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ストーリー紹介(ネタバレなし)

結婚式をすっぽかして島を逃げ出した坂本英明は、妻の麻里を連れて戻ってきました。

一度は故郷を捨てた英明はなかなか再就職先が見つからずに、地元の人たちは微妙な態度を取っています。

麻里との間に娘を授かった英明は、父親としても成長を遂げていきました。

突然の病によって妻との死別を経験した英明は、麻里の親友に当たり実家の雑貨屋さんを切り盛りする多美子と再婚します。

英明は郷土への恩返しのために、古典相撲に打ち込んでいくことを決意しました。

見る見るうちに結果を出し、最高位である正三位大関にまで上り詰めます。

次第に島の皆とも昔のように打ち解けるようになった英明は、長い間わだかまりがあった父との関係にも向き合っていくのでした。

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主演のふたりの俳優の魅力

伊藤歩が亡き親友と現在の夫との間で揺れ動くヒロインの坂本多美子に、多彩な表情と繊細な演技からアプローチをしています。

1980年生まれの女優さんで、岩井俊二監督の衝撃作「リリイ・シュシュのすべて」では丸坊主姿で何事にも屈しない女子中学生の姿を演じていたことが懐かしく思い出されました。

近年ではテレビドラマ「昼顔」などのでの、気だるい眼差しや鬱屈とした振る舞いも似合う役者になってきました。

ふるさとへの愛憎半ばする想いを抱いた坂本英明の役には、青柳翔が熱演を披露しています。

劇団EXILEに所属しながら、歌手に俳優と幅広いジャンルで活躍中です。

錦織監督とは、2017年の「たたら侍」でも息の合ったコンビネーションを見せています。

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映画を見た個人的感想

都会での慌ただしい暮らしぶりに疲れ果てた夫婦が、豊かな自然に包まれている風景と穏やかに流れていく時間の中で癒される様子には心温まるものがありました。

突如として訪れた悲劇に負けることなく、新しい家族の在り方を模索する若い世代が感動的です。

地方独特な風習やしがらみには、外の世界から来た異質な存在をあっさりと排除してしまう排他的なムード閉塞感を感じました。

その一方でかつて日本全国各地に存在した地域コミュニティーの結びつきが、お互いが無関係かつ無関心になっていく今の時代に求められていることも伝わってきました。

遷官相撲を通してそれぞれの絆を取り戻していく、不器用な人たちの生きざまにはホロリとさせられました。

まとめ

島根県隠岐諸島の風光明媚な美しさと、そこに生きる島民の優しさ溢れる人間模様が見どころになります。

生まれ育った町や家族の元を遠く離れて暮らしている方たちには、是非とも鑑賞して頂きたい作品になっています。

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