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東日本大震災以降、さまざまな形で広報されるようになってきた自衛隊のなかにあって

まだ全貌が知られていない横須賀の防衛大学校に入隊した若者たちの日々を描いている『あおざくら』ですが

入学以来様々な苦難を乗り越えて辿り着いた秋季定期訓練、富士山の麓にある広大な演習場にも様々な試練が待ち構えていました。

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リアル・フルメタルジャケット

近藤たちは、秋季定期訓練で北富士演習場へとやってきます。

広大な演習場で彼ら学生に与えられたのは古い実戦仕様の隊舎であり、彼らはそこで暫く本格的な行軍や野戦訓練を受けることになるのです。

陸自が管理しているその場所は連綿と続く自衛隊の歴史そのままに質実剛健で、厳しい環境でした。

さらに、入校から現在に至るまでに既にエリミネートで数名の脱落者が発生するなど、順風満帆とは言い難い状況の中で、近藤は土方という冷徹で容赦のない学生と対立することになるのです。

以前、土方は寮での役職を巡って近藤と対立しており、脱落者が出たらその役目を諦めろ、という賭けをし、近藤は承諾したのですが

結果的に退学者を押しとどめることが出来ずにその賭けに負けていたのです。

独善的な土方のやり方は多くの学生の反発を招き、また、彼を知る同級生の言葉から、土方がなぜそういう人間になったのか、ということが知られ、近藤は彼を理解したい、と願うようになるのです。

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土方の兄は優秀な人でした

幼いころから土方が憧れていた兄は、とても優秀な人でしたが

周囲の期待もあって医学部にトライしたものの、連戦連敗し、20代後半になって引きこもるようになってしまったのでした。

そのために父親も荒れ、居場所を無くして防衛大を目指すことになった、というのです。

それぞれの家庭の事情がつまびらかにされていき、18歳の少年らの身の上にはそれぞれの苦難を背負わざるを得なかったのだ、ということが語られるようになっていきます。

そんな事情があったとしてもカリキュラムは進行していき、近藤は初めて小銃を撃つというリアルな訓練を受けるのです。

驚いたのは、その引き金の「軽さ」でした。それはおとなだけでなく、非力な子供でも老人でも弾けてしまう、ということ。

それを持たされる事の意味を考えろ、その『重さ』と『軽さ』を忘れるな、と言われ、自らの立ち位置を思い知らされるのです。

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秋季定期訓練の後には

防衛大の学生は、いずれ陸・海・空の三自衛隊に分かれるカリキュラムがやってきます。

その希望を取り始めるのが一学年目の後半なのです。

彼らがそれまでに受けてきた訓練や、たとえばブルーインパルスを見て憧れたから、または先輩たちの勧誘で、など様々な理由でその道を模索し始めるのです。

そんな中で、近藤はもつれたままになっている土方との問題を少しずつ解きほぐしていこう、と努力を始めます。

 

周囲の友人たちもそれぞれに未来のことを考え、話し合うのですが「家族のため、だけでなく、自分のことを大切に」に考えるべき、という級友の言葉にふっと肩の力が抜けたように感じるのです。

その時に頭の中に浮かんだのは学校に入ってから出会い、影響をうけた先輩らのこと。

彼が出した結論は、いたってシンプルなものでした。

まとめ

国が困難な状況に陥った時にこそ立ち上がり、役に立つために、彼らは日々学び、訓練を受けているのです。

その困難な道のりはほとんど知られることはなく、まさか、こんな週刊少年漫画誌で連載されて世に出されることになるとは、時代が変わったものだなぁ、と思っています。

近藤をはじめとして、沖田や土方ら、みな、18歳ながらに様々なことを考えてここに身を置いています。

彼らはそれぞれ幸せになること、そして役に立てる大人になることを目指して頑張っているのです。

 

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